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ポケット美術館 末次 芽衣
ポケット美術館
末次芽衣
私は動物が大好きだ。見ているだけで癒される。動物園も、ペットショップも、触れあいカフェも、私にとって楽園だ。しかし、私の知り合いの何人かは、動物に癒されたいという感情は何かがおかしいと言っていた。当初はちょっとひねくれた考え方だとしか捉えていなかった。けれど、春休みにニューヨークへ旅行に行き、彼らの考え方を真剣に受け止めてみようと考え直す光景を目にした。
『アメリカの犬』と『日本の犬』
ニューヨークへ旅行に行った際、街中を散歩する犬の様子が日本の犬とは違うように感じた。私は犬に対して、飼い主に甘えることが大好きではしゃぎ回るイメージを持っていた。しかし、それは日本の犬の特徴の様だ。アメリカの犬と飼い主の様子は、お互いを誇りに思っていて、飼われている犬というよりパートナーの様だった。決して日本の犬を否定したい訳ではなく、日本人の動物に対して癒されたいという思いに応えるような動物の振る舞いを見ていると、癒されたいという気持ちは何処か動物を下に見ている気持ちがあるのではないかと感じてしまった。
『ペット』
この作品は、私の意見よりも鑑賞者がどのように感じたかが重要であると考えているが、作品を作るきっかけとなったのは以下の通りだ。
アメリカの犬と日本の犬の明らかな違いとして、犬を飼うための入手経路が異なる。日本では、ペットを飼うための入手経路として、ペットショップが大半を占め、ブリーダーから買ったり譲渡会で譲りうけるのは少数派となっている。一方アメリカやヨーロッパでは、ペットショップでの動物の販売は禁止されていたり、販売が出来ても厳しい取り締まりがある場合が多い。基本的に自分でブリーダーを探したり、保護動物を引き取ったり、ペットショップで保健所と連携をして譲渡会が行われてたりするのでそこからペットを入手する。このようにヨーロッパやアメリカと比べると日本はペットショップに行けばペットに会うことが出来るという手軽な状況は、私は問題があると思った。
このペットを入手する方法について知ったことがこの作品を作るきっかけとなったが、このことを否定するのではなく、単純にペットショップのペットの目線で作品を作ることで、ペットを取り巻くあらゆる問題を鑑賞者に想像して頂ければと思う。
作品投稿インスタhttp://Instagram.com/suetsugusuetsugu