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時をつむぐ

アスパラセロリズ

Cally Tan

作品名 「mindlessness」
刺繍 / 刺繍糸、100%綿の布 / W145×H120cm

日本に来て以来、実家に帰る機会があまりなかった私が近代の事情で、やっと戻ってきた。日本で見つけた居場所と実家での時間の流れが全く違うように感じた。1秒1秒が静かに過ぎて、時計の分針が動くことを期待したりして、時間に対する意識がとても目立ってきた。意外と、元々中性で何も悪くはない時間を憎み始めた。時間の重みが何よりも息苦しく感じさせた。手間のかかる刺繍の作業で、心を落ち着かせる手段を必死に探した。針を布に刺し、また布の表面から出て、ステッチするごとに時間が何となく縮まった。刺す・彫る・切るといった動作には傷を作ることで跡を残す過程がまるで記録の手段の一つのようだと考えた。誰かの為に待ってくれない時間、誰かの意図の通りに動いてくれない時間がどうせ待ってくれなければ、せめて有意義な勝負をしたい気持ちがあり、この刺繍の日記を作り始めた。時間を待つことと同じように、目標やゴールなどは一切なく、ただ当時のその気持ちや見たものを自分なりの線的な表現や構成などで、時間を潰す様に時間を味おうとしていた。

一つの刺繍のフレンチノットが30秒になり、バックステッチの線が10分になり、ランダムのステーチの塊が2時間になり、私はこういう風な馴染みのある技法と時間と会話していた。